【随時掲載「教育のユニバーサルデザイン化」⑨】100字要約

2021年5月10日 05時00分

 小学校の国語の授業で大切なことは、「一に音読、二に新出漢字の読み書き、三が読解、・・・」です。今日は、その読解の授業についてです。

 本校では、読解力を高めるために、物語文・説明文のあらすじを100字にまとめる要約指導に取り組んでいます。「論理の見える化」の手立てを行うことで、全員100字要約ができました。(4月21日の6年1組の実践をお伝えします。)

 ・今日の授業のめあては、「帰り道はどんな話?」です。まず、教材文を音読しました。

・登場人物の周也と律の心の距離を図で振り返りました。(これはよい支援ですね。この心情曲線からも、あらすじをつかむことができました。)

・論理の見える化シート(上半分)と原稿用紙(下半分)を配布しました。

 日本授業UD学会の桂聖先生は、ご著書「国語授業のユニバーサルデザイン」の中で、「物語文は「はじめ」(マイナス)⇒「きっかけ」⇒「おわり」(プラス)という構造になっていて、この枠の中に、できごとを落とし込んでいくと、あらすじがつかみやすくなる。」と述べられています。

 これまでの実践で、確かに国語の苦手な児童も、ワークシートを埋め、言葉をつないで100字程度にまとめることができた事例をたくさん見てきました。とても優れた支援だと感じています。

 ・100字要約は、昨年度3回取り組みました。持ち上がりの担任は、昨年度の教材「カレーライス」のはじめ・きっかけ・終わりは何であったかを問いました。児童は、よく覚えていました。

・「「カレーライス」は、こうだったよね。」と振り返って説明し、「帰り道」は、どうなるかと問いました。

・全ての児童が、解答しました。(すばらしい!)

・それから、言葉をつないで、100字程度に要約します。

・100字程度にまとめました。全ての児童ができました。(とてもすばしい!)写真のワークシートは100字ぴったりです。

・ニコニコタイム・・・互いに自分の要約を伝え合います。

・3人が、みんなの前で発表しました。うまくまとまっていました。

[コメント]

 この授業の良いところは、全員が要約できたことです。実はこれは、そう簡単なことではないのです。「論理の見える化」の視覚支援と指導の継続の成果だと思います。今年度も、全学年で、物語文・説明文の要約指導を継続してまいります。(^^)/