【随時掲載「教育のユニバーサルデザイン化」⑫】6年生の道徳授業

2021年6月1日 14時52分

 道徳の授業にはテストがなく、できた・できないで評価されることはありません。しかし、道徳の授業にもつまずきはあるのです。それは、①「ストーリー・登場人物の関係がつかみにくい」、②「自分の気持ちを表すのが苦手」などです。

 6月2日、道徳の研究授業を、3年1組、4年2組、6年1組で行いました。予測されるつまずきに対して手立てを講じて、全員が参加し「よりよい生き方」を考えるユニバーサルデザイン化した授業を展開しました。

 今日は、6年生「手品師」の授業の様子をお伝えします。

①ストーリ・登場人物の関係を的確につかむ・・・デジタル教科書の朗読を聞きながら教材文を目で追います。教材文を前半で切ります。(覚える量を限定するため。)そして、どんな話なのか、イラストと重要センテンスを提示しながら共通理解を図ります。

②「自分の気持ちを表す」・・・「じぶんならどうする?(男の子のところへ)か(大劇場へ)か」を問い、ハートメーターのどの位置かを明確にします。3人組になって自分の考えを伝え合ったのち、自分の気持ちを表す場所に名前磁石を貼りました。(話合いを入れたのは、自分の気持ちを整理するためです。)ハートメーターを見て、全体像と友達の気持ちを知ることができました。

 そのあとの意見交換では、自分と同じ場所の人の意見、違う場所の意見を自分の気持ちと比べながら真剣に聞きました。 

  授業後半の教師の説話にも、視覚支援がありました。誠実に生きる事例として、学級の児童が「休み時間が少なくなるのに、自主的に教科書を配っている写真」「係を決めていないのにいつも進んで黒板を消す写真」を提示しました。(ちょっとしたことかもしれませんが、すばらしいと感じました。)これを見た児童は勇気づけられ、またやろうという気持ちが高まったことと思います。

 「手品師」はいわゆる葛藤教材です。男の子との約束をとるか大劇場への出演をとるか大いに迷い考えた末、誠実に生きる大切さを感じ取りました。全員がこれからの生き方をワークシートに綴ることができた全員参加の授業となりました。(^^)/