小学校時代に身に付けさせたい「援助要求スキル」

2020年6月8日 05時00分

 子どもの自立に向け、小学校時代に是非とも身に付けさせたいスキルは、「援助要求スキル」と「援助応答スキル」であると思っています。


 
 三島っ子は、将来の自立に向け、日々の学校生活に対して目標を立てて頑張っています。自分でできることは、自分でしようとしていますが、小学生にとってはまだまだできないことが多く、「こまった」「わからない」「むずかしい」「思いどおりにいかない」ことが誰にでも起こっています。
そんなときにとる行動として、おすすめしないのが、「泣く」「さわぐ」「にげる」「やらない」「めちゃくちゃにする」「物にあたる」「隠す」「ごまかす」などの行動です。困ったことが解決しないだけでなく、周りの人に不快な思いをさせてしまうことがあります。
 一方、おおすめするのが、「手伝ってください」「わからないので教えてください」「聞き逃したのでもう一度言ってください」「助けてください」と、援助を求める行動です。これらのことを「援助要求スキル」といいます。困っているときに助けを求めるのは決して恥ずかしいことではありません。誰にでも困ることはあるのです。遠慮する必要はありません。「援助要求スキル」を発揮すると、助けてもらうことが増え、困ることが少なくなります。助けてもらったら、相手にお礼を言うスキルも併せて、小学校時代に身に付けたいものです。


「援助要求スキル」を発揮するためには

 この援助要求スキルを発揮するのに重要なのは、周りの雰囲気です。もしも、勇気を出して援助要求しても、周りの人からバカにされるようなことがあったら、次からはやめようと思うでしょう。ですから、教室は安心してまちがうことができる場でなければなりません。まちがっても誰からもバカにされない。むしろ、まちがったことを取り上げて、「これはまちがえだけど、こう考えたことはいいことだ。」と肯定的に評価する雰囲気をつくっていきたいものです。

相手を思いやる「援助応答スキル」

 援助を要求する相手に対して、相手を思いやり対応するスキルを「援助応答スキル」と言います。「友達を助ける言葉」「友達を認める言葉」「友達を待つ言葉」を聞くと、困っている人は、困っていることを話しやすくなるし、がんばろうという気持ちが涌いてきます。三島小では、全教職員が共通理解のもと、「教え合いの時間」(現時点で2年生以上)を設けています。感染症防止のために制約があるのですが、三密に注意しながら、「援助要求」と「援助応答」を推奨しています。

やさしく注意するスキルも大切

 友達を大切にし、上記のようにやさしい言葉をかけることは大切です。そうすることで、子どもたち同士の助け合いが促進します。困っている子の困り感が軽減します。一方、もしも、友達がいかんことをしているのを見たときは、攻撃的になったり、見て見ぬふりをしたりするのではなく、やさしく注意して正してほしいものです。そうすることでいじめがSTOPします。やさしく注意するスキルも大切です。
      

子どもたちが選んだ「あふれさせたい言葉」

 学級で一番大切な環境は、「先生や児童が話す言葉」です。このたび、「クラスにあふれさせたい言葉」「クラスからなくしたい言葉」を各学級で調査しました。「あふれさせたい言葉」は、褒め認め励ますプラス言葉で、児童が今まで言われてうれしかった言葉です。「やさしい言葉」「正しい言葉」が多数選ばれています。一方、「なくしたい言葉」は、人格を否定したりバカにしたりする言葉で、言われていやな思いをした言葉です。各学級で、「なくしたい言葉」をなくし、「あふれさせたい言葉」をあふれさせようと指導しました。各学年の「あふれさせたい言葉」の結果を、明日から、ホームページに連載してお伝えします。