特別支援教育便り 子育て応援コラム No.3

2021年11月23日 05時00分

保護者の皆様、日々の子育てお疲れ様です。

お子さんの行動の理由や、関わり方のちょっとしたコツを、いろんな方の成功事例や、特別支援教育の観点から紹介していく子育て応援コラム。

今回のテーマは、言うことを聞かない子です。

 

出発時間が迫る中、急いでねと伝えてもマイペースに準備をしたりしなかったり。

今すぐやってと伝えても、帰ってくるのは生返事で、視線は画面に釘付け状態。

やって欲しくて焦る親と一向に動こうとしない子ども。

忙しい朝のご家庭でよく見られる状況かもしれません。

みなさんは、こんな経験はないでしょうか。

 

子どもが動かない原因は、いくつか考えられます。

一つは、ワーキングメモリの問題です。

ワーキングメモリは、作業記憶とも言われ、作業に必要な記憶を一時的に覚えておく働きです。

例えば、「今日の帰りに牛乳を買わなくちゃ」と思ったら、

「牛乳を買う」ということが一時的に記憶されます。

無事牛乳を買えると、その記憶はもう要らないので消去されます。

 

 

 

 

 

 

人によって、このワーキングメモリの働きには強弱があります。

もし、ワーキングメモリが弱いと、一度にたくさんのことを覚えておけなくなります。

一度に集中できることが少なくなり、複数の作業を同時に行うことが難しくなるわけです。

見ているテレビの内容、今集中していることや考え事で頭がいっぱいになって、新しい情報が入ってこなくなります。

こうして、伝えたい言葉は、子どもに届かなくなり、結果として子どもは動かないのです。

 

ワーキングメモリが弱いお子さんの場合、子どもの行動を邪魔している刺激物を取り除くことが大切です。

テレビは消す。

話しかける時は子どもの顔の向きを変えて刺激物が視界に入らないようにする。

気になる音は止める。

言っても行動してくれないなぁと思う時には、子どもの都合もちょっと考えながら、刺激物を取り除いてみると上手くいくかもしれませんね。

 

つづく